島根旅で出会った食材たちの物語〜Tokyo Vintage Fashion Weekに向けて〜
投稿日: 投稿者:OTEMOTOSTAFF

皆さんこんにちは。
OTEMOTOのイベント担当、おさだです。
この度、OTEMOTOプロジェクトは2026年1月に「おいしく食べられるのに、さまざまな事情で行き場を失ってしまった食材を、新たなかたちへ生まれ変わらせるプロジェクト」として、『MEGURUおいしいPROJECT』を立ち上げました。
そして、2026年3月13日(金)〜15日(日)の3日間、イベント「Tokyo Vintage Fashion Week」(会場:新宿住友ビル三角広場)に出店させていただき「もったいない食材」を使ったお料理やドリンクを提供することになりました!
島根県で見つけた「もったいない食材」
3月頭に島根県の生産者さん3軒に訪問させていただき、工場の見学やインタビューなどの取材をさせていただきました。
その生産者さん3軒の皆さんから、「もったいない食材」のご提供をしていただくことになりました。

奥出雲の山奥でつくられる、こだわり醤油『森田醤油』

「有限会社 森田醤油店」代表取締役 森田郁史さんにお話を伺いました。
森田醤油さんは、国産の厳選された食材と奥出雲のお水を使って、自社の蔵で麹造りからお醤油づくりをされているところが特徴の醤油蔵さんです。
お醤油づくりを麹づくりからされる醤油蔵さんは、全体の約1割ほどだそう。
手間をかけてでも、”誰もが安心して口にすることができる”お醤油づくりを丁寧にされていらっしゃいます。
そんな森田醤油さんの、特徴でもある"麹造り”ですが、使用している小麦は、でんぷん質の多い品種です。現在のお醤油業界では、タンパク質量の多い原料を使うことが多いそう。(酵素がタンパク質を分解し、旨味成分であるアミノ酸に変わるため)
その方がたくさんのお水で仕込めるので、製造されるお醤油の量も多くなるのだそうです。
しかし、森田醤油さんは、タンパク質の旨味だけではなく、でんぷん質からつくられる糖の旨味やアルコールの香りを大事にしているため、でんぷん質の多い原料を使用されています。
その分、アミノ酸量が少なくなるため、麹に合わせる塩水の量を減らして調整しなければなりません。
そのため、通常 麹1:塩水1.4の割合で仕込むものを、森田醤油さんでは、 麹1:塩水1の割合で仕込まれているそうです。

贅沢なお醤油で、旨味がたっぷりなのですが、麹が多い分、"しょうゆかす"がたくさんできてしまいます。
”しょうゆかす"とは、しょうゆもろみを絞ったときに残る粕のことです。
また、森田醤油さんではエグみがでないようにするために、もろみを搾りきらないため、水分量の多いしょうゆかすがたくさんできてしまいます。
他の醤油蔵さんよりも、かなり量も重量も大きい森田醤油さんのしょうゆかす。
今は、牛の飼料にしたり、堆肥にされているそうなのですが、それ以外の活用方法が見つかっていませんでした。

「うまみがたっぷり!酵素もたっぷり!なのにもったいない!」わたしたちはそう考え、しょうゆかすを活用してお料理をすることに決めました。
出雲では珍しい、山椒栽培の先駆者『いずも八山椒』

「いずも八山椒有限会社」代表取締役 若槻雅人さんにお話を伺いました。
「いずも八山椒」さんは、奥出雲町のすぐお隣の雲南市で、山椒の栽培から山椒商品の製造・販売までを一貫してされている生産者さんです。
日本全国でも、非常に農家さん・産地の数が少ない「山椒」。雲南の地域でもかなり昔には栽培をしていたそうですが、近年では栽培されているところがなかったそうです。
産地が少ない理由は栽培が難しいから。
突然枯れたり、場所を選んでうまく育たなかったりと、非常に栽培が難しい植物なんだそうです。
山椒栽培を始めて18年。他の作物と比べて研究結果も少なく、失敗を繰り返しながら、育てて来られたそうです。山椒は実がつくまでに3年、収穫できるまでに4年。長く時間がかかる作物であることも、生産者さんが増えない要因だといいます。



山陰の文化と伝統の味『寿隆蒲鉾』

「寿隆蒲鉾株式会社」 取締役・商品企画室長 壽山大己(じゅやまたいき)さんにお話を伺いました。
寿隆蒲鉾(じゅたかかまぼこ)は、1926年(大正15年)にかまぼこ製造専門店として創業した島根県松江市のかまぼこ屋さんです。
過去にも一緒にイベントを行ったり、インタビューをさせていただいたことがあります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
そんな寿隆蒲鉾さん、あごのやきやかまぼこなどたくさんの練り物を製造されているのですが、「寿隆蒲鉾と言えば、やっぱりしめ鯖かまぼこ!」というほど、「しめ鯖かまぼこ」が大人気のかまぼこ屋さんなんです。
全国の百貨店や県産品販売店の催事でも大行列ができる大人気商品で、第74回 全国蒲鉾品評会 水産庁長官賞受賞を受賞したこだわりの逸品です。

そんな、しめ鯖かまぼこに使われているしめ鯖は、地元境港で水揚げされた鯖を使用しています。その鯖をしめ鯖にして、かまぼことぴったりくっつけた商品が「しめ鯖かまぼこ」です。
大人気の「しめ鯖かまぼこ」ですが、近頃の気候変動などもあり、鯖の水揚げ量が減ってきています。どんどんと鯖がとれない地域になってきていて、手軽に手に入る鯖から、貴重な鯖になりつつあるのです。
そんな貴重な鯖を使って作られる、しめ鯖かまぼこですが、かまぼこの形に合わせて鯖の身を整形する必要があります。企業秘密とのことで、詳しいことはわからないのですが、「しめ鯖かまぼこ」にする過程で、どうしても"鯖の端材"ができてしまうのだそうです。
この"端材"の鯖は、その後の加工や保存の関係で、塩サバになっているのですが、とってもしょっぱい。使い勝手の悪い端材になっていて、冷凍保存はしているものの、うまく活用できない状態だったというのです。
実はこの"端材"、1番脂乗りの良い部位なんです。こんな素敵な代物使わない選択肢がない!ということで、塩サバの端材を活用させていただくことになりました。
集まった島根の食材たち

今回の旅で見つけた「しょうゆかす」「山椒の端材の粉」「塩サバの端材」をはじめ、各地域のさまざまな "もったいない食材" を活用してお料理を提供します。
取材を通して、食品へのこだわりと"もったいない食材"をどうにか、活用したいという熱意を生産者の皆さんから受け取りました。わたしたちは、発信と美味しいお料理に変える力で、新しい美味しさを提供したいと思っています。
2026年3月13日(金)〜15日(日)の3日間、イベント「Tokyo Vintage Fashion Week」(会場:新宿住友ビル三角広場)の会場で、皆さんをお待ちしております!
イベントの詳細情報は、こちらの記事をご覧ください。

