サイドバーを表示
レモンリキュールエイトの誕生ヒストリーとこれからの未来の話

みなさんこんにちは。OTEMOTOストアのおさだです。
2025年4月から、OTEMOTOストアで「レモンリキュールエイト」を販売させていただくことになりました。
販売にあたり、エイトの歴史をお伺いし、ぜひご購入をご検討中の皆様にご一読いただきたいと思いましたので記事にさせていただきました。

エイトについて

「レモンリキュールエイト」は、八丈島の『島レモン』と島焼酎 『情け嶋』でできた、甘くなく食事に合う"ホンモノ"のレモンリキュールです。
エイトの詳細は、OTEMOTOストアでぜひチェックしてみてください。

 

皆さんは普段リキュールを購入されますか?
国産のリキュールは多種多様ですが、エイトの特徴は『農業からはじまる、レモンのお酒』であることです。
やはりリキュールであれば、お酒が主になることがほとんどだと思いますが、エイトは「八丈島のレモンを丸ごと味わってもらいたい」という思いから生まれた珍しいお酒なんです。

レモンサワーエイト

八丈島の島レモンの特徴は果皮に香りや甘みがあることです。その上、レモンの旨味成分の99%は皮にあると言われています。
皮の苦みが強かったり、ワックスが気になって皮まで食べられなかったりと美味しく皮まで堪能できないレモンもあるなかで、八丈島のレモンは皮ごとまるごと食べておいしいレモンであることがその大きな特徴と言えます。
そんなレモンを瓶内に30%以上も使ったレモンリキュールだから"ホンモノ"のレモンのお酒 とご紹介しているのです。八丈島島レモン

エイトができるまで

そんなエイトはどのようにして作られているのかをご紹介します。

  1. 皮と果汁を手作業で潰してペースト状にする
  2. 焼酎『情け嶋』の原酒とレモンペーストをあわせる
  3. あわせたものに、空気を回して撹拌させる
  4. 撹拌させるときに、ほんの少しだけ隠し味に『てんさい糖』と『クエン酸を加える』
  5. できたお酒を手作業で瓶詰めし出荷する

レモンサワーエイト 製造工程
『エイト』を瓶詰めしている様子

以上で終了です。とっってもシンプルな工程、シンプルな材料です。
そしてこれらの作業は、八丈島で島焼酎『情け嶋』を製造されている、八丈興発(はちじょうこうはつ)さんで行われているんです。
島でできたレモンと島でできたお酒を島で瓶詰めして販売する。まさに八丈島の魅力が詰まったお酒と言えると思います。

エイトがうまれたきっかけと歴史

東京で飲食店を営む、現在の営島舎(えいとうしゃ・エイトの販売元)代表、農山(のうやま)さんは、八丈興発社長の小宮山(こみやま)さんとお酒の会で出会いました。出会った次の日には、農山さんの飲食店に来てくれたという小宮山さん。そのお礼も兼ねて、農山さんも初めて八丈島を訪問したことがすべてのきっかけになりました。
訪問して早々、小宮山さんに朝から温泉に連れて行かれた農山さん。裸の付き合いを経て、お二人の仲は一気に縮まったんだとか。

八丈島

そんな小宮山さんから、
「八丈島の観光産業が衰退し、人口が減っている、仕事も減っている、焼酎はおろか島自体の先行きが明るくない」という相談がありました。
相談を受けた農山さんはすぐに動き出しボランティアで八丈島のまちおこしイベントを実施したのです。イベントは3年間続き、島の人々にも認められ仲良くなりました。そして、島もある程度活性化できました。
しかしながら、やっぱり島焼酎は売れていない という問題に直面したんだと言います。
そして、「島焼酎と同じく、レモンも販売に苦しんでいる。八丈島にはレモンと焼酎があるから掛け合わせて何かできないか」という考えに繋がったのです。

八丈興発 小宮山さん

焼酎づくりをする小宮山さん

八丈島レモンの歴史

八丈島の島レモンは昭和15年に菊池雄二氏がテニアン島から苗を持ち帰ったのが始まりと言われています。同じ系統のレモンは小笠原諸島でも生産されていますが、土地の風土や水質の違いにより変化が生まれ、八丈島のレモンは八丈島独自のフルーツレモンとして変化していったのです。
その後、2010年に東京島しょ農林水産総合センターが八丈島の新たな農産物づくりのために農業試験場を八丈島につくったことがきっかけで島レモンの生産がスタートしました。
エイトのレモンを生産しているレモン農家の西浜(にしはま)さんは、農業試験場導入時から今でも続けている唯一の農家さんです。
試験場づくりから実が実るようになるまでに7年。そこから、実っても高くて買ってもらえない時代が3年続いたそうです。なんと、実が実るまでは無収入だったんだとか…。
そんな厳しい状況を経て、ようやく美味しいレモンが育つようになっても、売り方や価値の伝え方に悩む時期が続きました。

現在の西浜農園レモンハウス

現在の西浜農園レモンハウス

そんなとき、西浜さんは農山さんと出会います。農山さんは、収入がなくつらい状況でも「やりきろうと努力する」西浜さんの姿に感銘を受け、彼と小宮山さんと共に、新たな八丈島の産物として「レモンリキュール」を作ることを決意しました。幾度も試作を重ねた末、完成したのが「レモンリキュール エイト」なのです。

八丈島の産業とエイト

エイトはレモンを島の産業にするためにできた商品です。
八丈島の観光産業は衰退し、人口は減り、仕事も減り、島自体の先行きが明るくない状態をどうにか救いたいという、強い思いがこの商品には込められています。
現在の状況では、レモンが高値で全て売り切れたとしても、経費すら賄えないような厳しい状態だそうです。この状況を打破し、「八丈島にはレモンがある。レモン農家は儲かるし、楽しい。だから、八丈島に住み続けたい」と思ってもらえるようにする必要があります。

「レモンリキュール エイト」には、レモンに付加価値を加えて販売することで、レモン農家を継続的で安定した職業にしたいという狙いがあります。
また、レモン農家が「儲かって楽しい仕事」でなければ、八丈島に住み続ける理由にはなりません。現状では、農家さんに正当な対価が支払われていないことも多いと言われています。農家さんが正しい金額を受け取り、八丈島で生活できるようにならなければ、「レモンを島の産業にする」とする取り組みは成功したとは言えません。

西浜農園

私たちは、このようなメディアでの発信を通じて、この取り組みを成功へ導けるように、レモンの価値を伝えることに全力でいたいと考えています。

エイトのこれからとOTEMOTOストア

西浜さんたちは、八丈島レモンの価値を正しく伝えていくとともに、さらにその価値を向上できるよう、現在、レモンの品質向上に努めていらっしゃいます。
具体的には、レモンの木の剪定を行い、できる実を少なくすることで1つ1つのレモンを最善の状態にしていく取り組みです。
八丈島レモンは全国のレモンの中でも非常に流通数の少ない品種です。全国のレモンの中で約0.2%ほどだと言います。
これからは、それを逆手にとって「とても貴重なブランドレモン」として最高品質なレモンを届けていくことを目指しています。

西浜農園 剪定をする西浜聡さん

レモン農家 西浜聡さんが剪定をする様子

レモン農家さんが、レモンで生計を立てられるようになり、さらに儲かるようになれば、島の職業の選択肢が1つ増えます。そして、レモン関連の商品を取り扱うお店ができれば、雇用も生まれます。そうして、島の産業を活性化していけば、島に人が戻ってきて観光客も増えていくでしょう。
観光客が増えれば、エイトをきっかけに島酒を楽しむ人も増えて、長く島焼酎を愛してくれる人たちも増えるかもしれません。
彼らはそんな未来のために一生懸命努力を続けているのです。

私たちOTEMOTOにできることは、メディアを通じて発信することだと考えています。農山さんは、「自分たちの取り組みを成功事例として発信してほしい。もし成功事例にできなくても、努力し、もがいている様子を世界に発信してほしい」とおっしゃっていました。
私たちの発信が、他の困っている地域や頑張っている人たちに届いて、少しでも勇気を与えられる存在になれれば。
また、皆さんが島の産業について考えるきっかけになり、八丈島をいつか訪れてくれたりしたら。
私たちはそんなことを願って発信をしています。
OTEMOTOストアで販売する、エイトとはちみつレモンを味わっていただき楽しんでいただけたら、ぜひいつか八丈島にも足を運んでみてください。
みんなで八丈島や農業の未来をつくっていきましょう。

八丈島島レモン 情け嶋

 

シェア: